【はちみつ文庫】 魔導師の戒律 1 【R-18】
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□ 魔導師の戒律  □

魔導師の戒律 1 【R-18】

「あっ……ふ……っ」

ルシガ自身をその躰の中に含み終えると、アレックスは満足げに声を出した。

昼間のアレックスの部屋―――時計は3時を指していた。
窓から差し込む光が、彼の金髪を輝かせている。
透けるように白い肌は薄らと色づき、長い金色の睫毛からは、南国の海の色をした瞳が見え隠れしていた。

光に透けるような彼を、ルシガは美しいと思いながら見ていた。
 
「今日はゆっくり楽しみたいの……アタシにリードさせて」

アレックスはそう言うと、ゆっくりと動き始める。
せっかちなルシガが、下から突き上げると―――

「だめ……せっかくのお休みなんだから、焦っちゃ」

と言い、彼は再び緩やかに体を上下し始めた。

「あ……んっ。この入って行く時の感じが好き……」

アレックスは、ルシガを焦らすように腰を揺らした。
そして時折り力を入れ、ルシガを締め付ける。

「……くっ」

ルシガは堪らず声を漏らした。 
翻弄されることで、より高ぶっていく自分に、躊躇《ためら》いがなくなったのはいつからだろう。
アレックスとのセックスはいつもそうだった。

『今日は、めちゃくちゃにして……』と言われ、アレックスが泣き叫ぶほどに苛んだ夜でも、その主導権はアレックスにあった。
 
最初はプライドがそれを許さなかったが、情けないことに気がつけば、この美貌の男と虜になっていた。
アレックスはベッドでは娼婦のようだが、普段は献身的に尽くしてくれる……そんなギャップも魅力的で、ルシガは彼にのめり込んでいった。

「あん……っ。ルシガ……すごくいい……」

アレックスが恍惚の表情で体を揺すっていた時、彼の携帯電話が鳴った。

「……おい……電話だ」
「あ……ああん……。嫌だ、仕事……」

アレックスは動きを止めると、ルシガを躰に入れたまま、サイドテーブルに置いた携帯電話を取った。

「……はい。アレックス・バジル」

何度か相づちを打つと「そう。わかったわ。出来るだけ早く現場に……ええ、じゃあ」と、いい電話を切る。
 
そして携帯を置くと、ルシガに向かって言った。

「ルシガ……違う」

急にそう言われ、ルシガは何を言われているのか、分からなかった。

「何がだ?」
「違うの……こういう時は、電話の最中に動かないと」
「仕事の電話だろう?」
「だからいいんじゃない。もう、分かってないんだから……」

そう言うと、今度は激しく体を上下し始めた。

「……不器用なんだから……あんっ……でも……そんな所が、好き……」

急にきつく締め付けられ、ルシガは目眩を覚える。

「アレックス……喰いちぎられそうだ……」
「ああ・・・だって、時間がなくなったんだもの・・・ねえ、ルシガ抱っこして」

胡坐に腰を落とし向かい合って愛し合うのは、アレックスが好きな体位だ。

ルシガはアレックスを抱きかかえた。

「……ルシガ……苛めて……」

その言葉に、ルシガは腰を動かし始める。
同時にそそり立ったアレックスのそれも、扱く。

「我儘なやつだ……」
「だって……いっぱい……欲しいもの……。は……ぁ……っ」

アレックスはルシガにしがみつき、快楽を貪っていた。
ルシガは腰を激しく突き上げ、アレックスの弱い部分を刺激した。

「あんっ。……そこ……いい……」

アレックスの目に、涙が溢れてきた。

「また泣いてるのか……」
「だって……いいんだもの……ああ、ルシガ……もっと……ちょうだい」

ルシガは片手でアレックスのそれを扱き、もう片方の手で彼の腰を上下させながら突き上げた。

「あんっ。あっ……あっ……イっちゃう」
「……達けばいい」
「……ルシガも一緒に……」
「……ああ」

アレックスに搾りあげられ、ルシガも限界に来ていた。
彼の躰を、ガクガクさせるほど下から突き上げる。
 
「ああ……んっ。あん。あん。……ああぁ……っ!」

アレックスが髪を振り乱しながら叫んだ。
その身体が仰け反り、顎が天を向く。
彼の前が達くと、全身がビクビクと痙攣し、ルシガのそれを脈打ちながら締め付けた。

「……うっ」

ほぼ同時にルシガも達した。

「ああ……ルシガ……」

アレックスはルシガの首に抱きつくと、最後の一滴まで搾りとっるように腰を振った。

「だめだアレックス……また欲しくなる」

ルシガはアレックスを、その腰から降ろそうとした。
そんな彼にアレックスは、キスをしながら甘える。

「ああ……ん。もっと……」
「仕事だろう」

そう言われて、彼は渋々ルシガから離れた。




シャワーを浴びたアレックスは、服を着始めていた。
ルシガはベッドに入ったまま、アレックスに問いかける。

「休日の特別捜査官が呼び出されるくらい、大きな事件なのか?」

アレックスは薄紫のシャツのボタンを留め、ライラックのタイを締めながら答える。

「ええ、そうよ」

そして淡いラベンダーのスーツを着ながら続けた。

「魔法省の高官の死体が発見されたの」
「……そうか」
「名前は聞かないの?」
「誰だ?」
「イザード・ヤーソン」
「……」

ルシガの顔色が変わったのを見て、アレックスが訊ねる。

「知り合い?」
「魔法省なんて、知り合いだらけだ」
「そう……」

そしてアレックスは身繕いを終えると、鏡を見て小さく「OK」と言った。
派手なスーツが、長身でしなやかな筋肉のついた彼が着ると、上品にまとまるから不思議だ。

「じゃ、行って来るわね。鍵はオートロックだから閉めるだけで大丈夫よ」

そう言うと、アレックスはルシガの髪にキスをして出て行った。

「イザード・ヤーソン……」

誰もいなくなったその部屋で、ルシガは呟いた。
その表情は暗く重かった。




魔法省について知るためには、この国の歴史を紐解く必要がある。

多くの国がそうであるように、この国も戦争と侵略によって統一された。

しかしその文化や気質に、あまりにも違いがあった。

北部の旧ユニーゴは現代的で、合理的かつ自己主張の強い民族だ。
白い肌に色素が薄い者が多く、アレックスはこの血を濃く引いている。
 
西部の旧ラカスタは海岸部を占め、陽気で楽天的な気質である。
やや浅黒い肌と平面的な顔が特徴的だ。

東部アルシリア王国に隣接した旧グリセンは、超能力者を排出する率が高かく、農耕民族独特の真面目さがあった。
 
そして南部の旧ガラシェ。
一面に広がる砂漠により人々心は閉鎖的で、呪術を好む部族だ。

約二百年前にこのガラシェの幼い呪術と、グリセンの超能力、そしてユニーゴの科学が混ざり合った時、現代魔術の歴史が始まった。
悪魔崇拝も加わり、数知れぬ実験が繰り返され、特別な能力を持つ人間が現れた。
これが魔導師の誕生である。

しかし当時は何も規制するものがなく、魔導を究めるあまり、化け物に身をやつした物も多く生まれた。
中には人を襲い、喰らう物まで現れた。

政府は魔導師そのものを弾圧しようとしたが、その裾野は広く、反乱により多くの死者を出した。
何十年の抗争の末、両者が出した結論が魔術を管理することであった。
ここで魔法省がその姿を歴史に現すことになる。

その後、魔法省によって管理されない魔導師は、黒魔導師として狩りの対象となった。
しかし現代にいたっても多くの黒魔導師が、息を潜めながら身を隠している。
それによって起こる弊害を取り除くのが、現代魔導師の大きな仕事の一つになっていた。

ルシガは、アルシリア国王が、この国から占術師として迎え入れた女魔道師と、その国王との間に生まれた第二王子だった。
父王の溺愛を受けたが為、王位継承争いに巻き込まれ、命を狙われ、祖父の住むこの国に逃れて来たのだ。
祖父もまた、この国の魔導師だった。

ルシガに魔導師になることを勧めたのは、その祖父だった。
彼に類いまれなる才能があったからだが、もう一つの理由は王位継承権の放棄の為だった。
 
魔法省下の魔導師になるためには、大切な物を一つ国家に捧げなければならなかった。
そして禁を犯した時、その魔道師は黒魔導師とみなされ、狩られる対象となる。
この契約は絶対で、その魔導師の命が尽きるまで続くのだった。

ルシガが魔法省との契約で王位継承の放棄を約束すれば、第一王子の側近から命を狙われることはなくなるのだ。
それほどこの国の魔導師の戒律は、厳格なことで有名だった。

そして今、ルシガは魔導師としてこの国にいる。

イザード・ヤーソンはそんな魔法省の、黒魔導師対策課の一員であった。




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Date:2011/02/20
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