【はちみつ文庫】 秘め湯 1 【R-18】
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□ 秘め湯 □

秘め湯 1 【R-18】

 アレックスの白い車が、雪の降り注ぐ中、山間の道を上へ上へと登っていく。

「すごい雪だな。積もったら明日は帰れそうにないな」

 ルシガの言葉に、アレックスはさらりと答える。

「その時は、連泊しましょうよ」

 雪はさらに激しさを増し、大きなぼた雪が フロントガラスに張り付いてくる。
 目の前の雪に視界を遮られるが、アレックスは速度を落とすこともなく、山道を登っていった。
 
「道が見えないな。大丈夫か?」
「大丈夫。もう着いたから」
「着いたって?」
「ほら、あそこ」

 指さされた方向を見てみると、なんとも不思議な形をした平屋が建っている。
 オリエンタル趣味というのだろうか。

「ここが宿か?」
「そうよ。ジャンポーネ趣味って言うらしいわ」
「へぇー」

 この国で温泉と言えば、リゾートホテルが併設された巨大プールのような物を言う。
 なのでアレックスにジャンポーネ式の温泉へ行こうと言われたときも、そのイメージは変わらなかった。

 ジャンポーネと言うのは、アルセリア大陸の東岸にぽちりとある、辺境の地だ。
 鎖国という制度を取り、他国との交渉を極度に制限しているこの国のことは、一時期話題になった。
 独特の文化があるとは聞いていたが、まさかこんな木で出来た家に 連れてこられるとは思いもしなかった。

「なんだか不満そうね」
「そんなことはない」
「貧乏くさい所だって、顔に書いてある」
「……」
「若い女子に大人気なんだから。中に入ったらびっくりするわよ」

 アレックスは車を止めると、そう言ってウィンクをした。




 宿の入り口を横に開くと、そこには民族衣装を着た女達が、床に正座をして待っていた。

「いらっしゃいませ」

 いっせいに声を出すと同時に、その場にひれ伏した。
 その姿に、ルシガは度肝を抜かれた。

「何で土下座をしてるんだ?」
「これは土下座じゃなく、ジャンポーネ式の歓迎の挨拶なのよ」
「挨拶? こんな挨拶があるものか! きっとこいつらは闇の奴隷商人を通じて、ジャンポーネから売られてきた可哀想な奴隷だ! アレックスお前は特別捜査官だろう? 何とかせんか!」

 ルシガの言葉に、女達は笑いさざめいた。
 アレックスも腹を抱えて笑っている。

「お客はん。うちらは奴隷やおまへん。そちらさんのおっしゃるとおり、これはわてらの挨拶なんどす」
「さぁさ、荷物をお持ちしましょ。ご予約のアレックス・バジル様と他一名さんどすな。お部屋に案内しますよって、どうぞこちらに」

 訛りのきつい言葉に追い立てられるようにして、ルシガが中に入ろうとしたその時――

「ああ、お客はん。困ります。靴を脱いでくれはらな」
「何だと? ベッドでもあるまいし、何故靴を脱がねばならん?」
「うちらの国の風習よって、よろしくお願いいたします」
「嫌だ」
「もう、子供みたいなことを言わないで。わかったわ、アタシが脱がしてあげるから」

 アレックスはそう言うと、ルシガを玄関の上がりに座らせ、靴を脱がし始めた。
 ルシガはムッとした表情で されるがままになっていたが、内心は嬉しかった。
 母親を、生まれると同時に失ったルシガは、おかしな事だがアレックスに母性を感じることがある。
 それがこんな時だった。

 靴を脱がされるとスリッパを履き、奴隷について廊下を歩く。
 大きなカラスごしの廊下からは、みごとな庭が見えた。
 小さな木と大きな石、それに波紋のように整えられた白砂で出来たその庭は、独特の美しさがあった。
 降り注ぐ雪が、邪魔にならない。
 そんな風情のある庭だった。

「ね? 来て良かったでしょう?」
「ああ。見事な庭だ」
「枯山水って言うんですって。ジャンポーネ人の美意識ってすごいわね」

 そう話しながら案内された部屋に入り、アレックスが悲鳴を上げた。

「キャー! 素敵! 畳に、障子よ! ああ~、見て! 内庭も素敵!」

 アレックスに呼ばれ ルシガが窓際に行くと、猫の額ほどの大きさであるが 美しい庭があった。
 暮れてきた冬の光が、斜めに庭を照らしている。
 小降りになったぼたん雪が、光に透けて美しかった。
 その中に、美しい赤い花をつけた背の低い木を見つけて、ルシガは訊ねた。

「あの木はなんだ?」
「あれは椿どす」

 奴隷が答える。

「白い雪が積もって、美しいな」
「ねえ、ルシガ。お茶をいただきましょうよ」

 そう言われ、ルシガが振り返ると、アレックスが奴隷と一緒に床に座っていた。

「何をしとるんだ、お前は?」
「何って、座っているのよ」
「床に座るなんて、考えられん!」
「床じゃないわよ。畳! それにお座布団の上に座ってるわ。ねえ、ルシガも座ってみて」
「ソファーはどこだ?」
「そんな物ないわよ」
「なんだとー! ここは監獄か?」

 奴隷がクスクスと笑っている。

「ベッドはどこだ? そこに座る!」
「お布団なら隣の間に敷いてあります」

 ルシガが襖を開けると、そこには緋縮緬の布団が二組敷かれてあった。
 四角い囲いのある蝋燭代から漏れる明かりに照らされ、何とも淫靡な空気を醸し出している。

「いやん。素敵!」
「どこまで地べたが好きな民族なんだ!」

 そう言って、ルシガは音を立てて襖を閉めたが、その顔は何故だか赤くなっていた。

「お客はん、お食事は七時からですから、先にお風呂へいかはらしまへんか? ここの露天風呂は有名なんどすえ」
「楽しみだわ。でも少しゆっくりしたいの。お風呂には食事の後入るわ」
「では浴衣はここに用意しておきます。灰色と桃色ですけど、よろしおすやろかしら?」
「ええ、うれしいわ」
「あ、それとお客はん、くれぐれも神様の湯には、入らんといておくれやす。罰が当たりますよって」
「わかったわ。ありがとう」

 アレックスが答えた後に、ルシガが、奴隷に尋ねた。

「神様の湯とは何だ?」
「へぇ。温泉の神様が入られる湯どす。興味半分に入ったら大変なことになりますよって、お気を付けられてください」

 そう言うと奴隷は、また深々とひれ伏すと、部屋を出て行った。
 



 「あんっ。はぁっ。あぁ……いい……」

 アレックスの白い躰が、ルシガの上で蠢いていた。

 ルシガの怒張したそれの全てを、搾り取るように腰を動かしているアレックスは、蝋燭の明かりに照らし出され、妖艶なまでに美しかった。
 金色の髪が腰を擦り上げる度に、音を立てながら揺れている。
 南の海のような青い瞳は、金色の睫毛の波間に埋もれながら、時々妖しい光を放っていた。

 緋縮緬の赤が反射して躰の赤みをさらにましているのを、ルシガは騎乗位でズブズブと責められながら下から眺めていた。
 快感に身をゆだねるように、半開きになった口元が 色欲をそそる、何とも美しい男だ。

 そんなアレックスの最奥は、まるで生き物のようにルシガのそれを咥え込み、啜るようにして離さない。
 それを強引にスライドされるのだから、気が遠くなるほどの快感がルシガを翻弄していた。

「ぁはっ。……あんっ。ん……。すごく感じちゃう」
「くっ……アレックス」
「ん……はぁっ……どうしたの?…… 達きたいの?」
「ああ……」
「アタシも。……ルシガお願い。下から突いて」

 アレックスに言われるがままに、ルシガは腰を突き上げた。

 「あっ!あぁんっ!あっ。あっ。あっ……」

 腰の動きに合わせ、アレックスが喘いだ。
 その声に、ルシガはよりいっそう高まっていく。
 浅い息をつきながら、彼はは音を刻むようにアレックスを犯し続けた。
 
「あんっ。んっ。んっ。んっ……だめ……もうイッちゃう!」

 ルシガのそれも大きく膨れあがり、アレックスの律動と共に弾る。
 アレックスは躰を仰け反らせると、びくびくと震えながらルシガのそれを受け入れた。

「はぁ……んっ」

 内腿を震るわせながら、悦楽の声を漏らすと、アレックスは大きく身体を崩し、ルシガの上に倒れ込んだ。
 吐息はまだ浅く、余韻が頬を染めている。

 そしてルシガの逞しい胸を、弄ぐりながら言った。

「あん。もう六時半。ずっとこうしていたいのに……」
「後でゆっくりできるだろう」
「それもそうね。……ねぇ、この障子、ここが開くのよ」

 そう言ってアレックスは立ち上がると、障子の枠をずらした。

「雪見障子って言うんですって」

 ぽっかり空いた空間から、外の風景が見えた。
 白い雪が輝きながら街灯に照らされながら、暗い庭に落ちていくのが見えた。

 アレックスはぶるっと小さく震えると、布団に潜り込んだ。

「寒い」
「障子とやらを開けるからだろう」
「だって、ロマンチックじゃない。ねぇ、今夜は雪を見ながらずっとしましょうね」

 アレックスはそう言いながら、ルシガに抱きついた。
 まだ乾ききらぬ肌が、しっとりと吸い付き合う。 
 唇を重ねると、互いに甘い吐息が漏れた。

 最初は貧乏くさいと思った宿だが、ジャンポーネ式もいいものだと、このときルシガは思ったのだった。




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Date:2011/03/25
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